La cripta dei cappucini -2005年ローマ- [Italia -イタリア-]
2005年はマルタ島の旅の前後にローマを少し散歩しました。有名所はほぼ行きつくしてしまった方にもお勧め?な場所をご紹介します。
当時ローマ留学中だった友人と向かったのは【Chiesa dell'Immacolata(インマコラータ教会】、通称「骸骨寺」。なぜ骸骨寺なのかというと、通路や礼拝堂の壁や天井、いたるところに骨が飾りつけられているからなんです。知ってはいたけどちょっと怖い・・・今までは行くことをためらっていましたが、この時は友人も一緒、2人ならば怖さも半分だ!と思い切った行動に出てみました。(嫌がる友人を半ば無理やりに連れて行ったのは秘密)
バルベリーニ広場から、ヴェネト通りをボルゲーゼ公園方面へ少し行った所にひっそりと建つ教会。見た目はこじんまりとしていてあまり目立たず、ここかな?とおそるおそる中へ。そこには、周囲の賑やかでおしゃれな雰囲気から切り離された空間が!!しばし絶句です。おびただしい量の骨で内部は埋め尽くされています。
教会入口で売られていたポストカード。買ったはいいけど、これを誰かに送ったら嫌われるだろうと思い未使用です。下のカードのアーチは全部頭蓋骨で作られています。
全部で5部屋ほどだったでしょうか、一つ一つの部屋もそう広くはなく、通路も狭い。なので骨がとっても近くにあるんです。最初は来たことを少し後悔してしまいましたが、このなんともいえない空間にいると、自分の物差しで見て感じる恐怖心よりも異文化に対する好奇心のほうが大きくなってきて、とても神聖な場所にいるのだと敬虔な気持ちも沸き起こってくるので不思議です。
ポストカードについた説明によれば、17世紀はじめ頃にトレヴィの泉近くにあった修道院から現在の場所へ移ってきた際、亡くなった修道士の遺物を壁沿いに安置していったのが始まりのようです。その後、カプチン修道士やローマの貧しい人々のための共同墓地となっていったと。ある種の芸術作品となり、死を想うにふさわしい場所となったここは、墓地としてだけではなく、修道士達が毎晩眠りにつく前に立ち寄り、祈りを捧げたり、黙想する場所としても使われていたとも書かれています。
La morte - che san Francesco ha chiamato sorella・・・ 聖フランチェスコは死を兄弟と呼んでいたようです。(※sorellaは姉妹という意味ですが、日本語の場合兄弟のほうが自然な気がするので勝手にそう訳しました。) メメント・モリ・・・そう考えれば、死者の骨に囲まれたちょっと怖い場所が、死を想い、今生きてることに感謝しようという気持ちになれる空間に思えます。
効率的に、個性的に、何かやらなきゃ、とか生きがいを見つけられないことが深刻な悩みと化してしまう今の日本では、そういう素朴な気持ちを日々持ち続けることは不可能のように思えますが、もしローマに行って気が向いたら、骸骨寺へも足を向けてみて下さい。
ローマの街中の喧騒から逃れたい時には【マルタ騎士団長の館】へ。坂道(結構きつかったような・・・)を歩くので運動にもなります。
若干傾いているのは坂道を歩いてきたせいだということにして下さい。ここでは鍵穴を覗くのがお約束。
覗いた先にはサン・ピエトロ寺院が見える!・・・はずだったのですが、写真ではただの白い光になってしまいました。心の目で見て下さい。もしくはローマで、実際に覗きをして下さい。←表現がちょっと(笑)
ちょっと、ローマまでは、いけないなぁー(笑)
by こうちゃん (2008-09-23 15:52)
骨・・・・!!
ポストカードを拝見しているだけでも、
倒れてしまいそうです^^;
ラストのお写真、何だか幻想的で
とってもnice!です^^♪
by お茶屋 (2008-09-23 19:24)
>こうちゃん
ふらっと行ける距離にローマがあったら・・・(’’)毎日強く念じていれば
大陸移動してきてくれますかね??←何億年かかることやら(笑)
人にお勧めしている張本人の私にとっても、ローマは遠いところです。
年に2回くらい行ける身分になりたいものです。
>お茶屋さん
骨苦手なんですね。すみません。(私も決して好きな訳ではありませんが)
教会付属の博物館などで、宝石箱?みたいなのに入った骸骨を見たことは
あるのですが、さすがにこの量には圧倒されてしまいました。
鍵穴からの写真は、何度撮り直してもこんな状態で・・・(;;)
壁に張り付いて必死に写真撮ってる姿はかなり不審者だったと思いますが
幻想的と言っていただけてうれしいです。
by Pace (2008-09-23 20:52)
骸骨寺ですか~。髑髏のアーチとは
なんともすごい景色ですね。
生命とは何かをかんがえさせられます。
カンボジアのツールスレーン刑務所博物館にも
髑髏がかざってありますが、こちらは殺戮された
人間のものでぞっとする景色でした。
by くろた (2008-09-25 11:39)
>くろたさん
カンボジアの刑務所博物館、テレビで見たような気がします。
映像を通してみても背筋が寒くなりました。
同じ骨でも、その背景により感じ方も変わってきますよね。
骸骨寺も最初は怖かったのですが、生者の空間に死者の遺骨を
飾ることの意味をなんとなくではありますが納得できて、見方が
かわりました。
by Pace (2008-09-25 22:13)