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Fussen -2003年ドイツ- [Germania -ドイツ-]

アウグスブルグの次に向かったのは、ロマンチック街道南端にある街フッセン。すぐそこはオーストリア。
ここには、おそらくドイツで最も有名かと思われる『ノイシュヴァンシュタイン城』があります。噛まずに言えますか(笑)?このお城も絶対に行きたいと思っていて、寒いの承知でチャレンジしてきました。

フッセンへ移動する電車の窓から見た景色。電車の窓から.jpg
電車の中は暖かく、曇った窓越しに見える風景はぼんやりしてて、ふわふわした気分になりました。

ちっちゃな可愛い黄色のフッセン駅に到着したら、バスに乗って城のチケットセンターまで移動します。
入場料8ユーロ(2003年当時)。チケットには入場時間が印刷されているので、その時間までにお城の入り口に行かなければいけません。夏季はシャトルバスがあるらしいのですが、私たちが行ったのは冬。馬車という選択肢もありましたが、頑張って歩いて登ることにしました。

fussen1.jpg
登り始めてすぐくらいの場所から撮影したノイシュヴァンシュタイン城。”お城”と聞いてまず思い浮かべるイメージそのものといった姿です。あれを目指してひたすら坂道を歩きます。最初は3人でしゃべりながら散歩気分でいたのですが、しばらく後に息が切れはじめ、後悔することに・・・。だんだん無言になり、ペースも3人ばらばら。

とはいえ、せっかく来たのだから意地でも見たい。ところどころで写真撮って休憩しつつさらに進む。
fussen3.jpg
ちょこっと雪は見えますが、さほどの量ではなかったです。城への道も、端っこに雪がある程度でした。

途中こんなレストランもあり目移り。これもまたメルヘンチックな建物。
fussen2.jpg
でも、入ってしまったら指定の入場時間に間に合いません。がまんがまん・・・。

ふらふらになりながらもじわじわとお城に近づき、やっと見えてきました!
fussen4.jpg
ふもとから見た時には気がつきませんでしたが、結構奥行きのある建物です。

fussen5.jpg
見えてきたらから近い!と思ったけど甘かった。くねくねした坂道をさらに進む・・・。

そしてそして、やっとの思いで到着!入場時間にも余裕ありでした。
fussen6.jpg
近くから撮影したので分かりにくいかもしれませんが、かなりの大きさです。

fussen7.jpg
19世紀後半の築城ですが、外壁などもきれいでした。ローマの街中の建物などは黒ずんでいますが、この場所だと排気ガスなどで汚れることもないからでしょうか。

時間になったら中に入り、引率されて見学可能な部屋をまわります。こんな寒い時期なのにそれなりの人数が集まっていたので、人気が高いことがわかりました。どの部屋もため息ものです。
ピラミッドなどよりはかなり新しいのですが、それでも100年以上も前に、今のような重機を駆使せずにこれを建ててしまったことにびっくりでした。しかも平地じゃなくて、山の上・・・。

これを建てたのは19歳で王位を継いだルートヴィヒ2世。彼は”ロマンチックな性質を持つ王”とか”おとぎの王”とか形容されいており、その生涯も個性的です。一度は婚約したもののしばらく後に解消してしまい、死ぬまで独身を貫いたのは『この世で見られる城の中で最も美しい城の一つ』をつくり、夢の世界で生きるためだったのでしょうか。禁治産者の宣告を受け、41歳で湖で溺れて亡くなった彼の最後のお城を見ていると、人の情熱とは(狂気と紙一重かも?)すさまじいパワーを秘めていると思わざるを得ませんでした。(権力や財産に恵まれていたとはいえ・・・)
しかしふと思う。この時代にプレステがあったら?もしかしたら彼は、徹夜でドラクエとかやっちゃうタイプだったのかも。現代には魅力的な娯楽が多すぎて、何か一つに集中することが難しいけど、雑念を払って取り組めば城とまではいかなくても、それなりのことはできそうな気がします。とはいえやっぱり21世紀の日本に生きてることも楽しみたい、というのが本音でもありますが(笑)←だから小市民
こういうものを見るとモウソウ劇場開演しちゃう私ですが、小さくとも自分の好きな物事は大切にしていきたいと思います。年末の大掃除の前にいらないものを捨てる!という決意をして、少しずつですが部屋を整理しています。生活や心のシンプル化を目指して!

夢のお城を出て、また坂道を戻り、チケットセンターの近くにある『ホーエンシュヴァンガウ城』を撮影。
fussen8.jpg
ルートヴィヒ2世が子供の頃にすごしたお城だそうです。こちらも見学可能ですが、私たちは時間の関係で断念し、駅まで戻りました。

駅近くのお店を見てちょこっと買い物してカフェへ。
fussencafe.jpg
うす曇だった空も晴れ渡り、冷たいけど美味しい空気を思う存分吸い込んでフッセンを後にしました。


タグ:ドイツ
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comment 9

お茶屋

ノイシュヴXXXXイン城♪
・・・噛まずには言えません^^;
by お茶屋 (2008-12-17 23:50) 

jinn

中公文庫「狂王ルードヴィヒ」で有名ですね。
ワーグナー大好きで政治そっちのけのイメージがありますが、
あの時代(19世紀)に中世の様式であるノイシュヴァンシュタイン城を築城した情熱はすごいです。
日本で言えば平成の現代に天守閣を持つ城を建築したようなものですね。
by jinn (2008-12-18 00:49) 

fullcon

↑博学ですね~!
by fullcon (2008-12-18 01:15) 

pace

「異端の肖像」、ワーグナー、ヴィスコンティ
最初に気にしたのは「うたかたの記」かしら
後からずいぶんとイメージ違ったけどさ

このお城はトラックの座席からちょっとだけ見ましたよ
せっかくヒッチハイクで乗せてくれたもんで素通りでした
by pace (2008-12-18 01:27) 

pica

『ノイシュヴァンシュタイン城』は、かまずに言えますv
でも、どーしても覚えられないんですよ~(^_^;)
コドモの頃、なぜかウチの壁にはこのお城のパネルが
飾られていたので、ちょっと気になる存在です。

ああ、私も少し部屋を片付けないと…。
by pica (2008-12-18 23:47) 

Pace

>お茶屋さん
噛みますよね(^^;
私は練習して、今ではちゃんと言えるようになりました!(自慢?)
今度お店で披露しますね(笑)

>jinnさん
古代ローマ~ルネッサンス、そしてイタリアに知識が偏ってしまって
いるのですが、ルートヴィヒに関する本も読んでみたいと思います!
中世も19世紀も、私たちにとっては”昔”とひとくくりで考えがちですが
時差があるんですよね。『この世で見られる・・・』部分は、ワーグナー
への手紙から引用しました。当時の人々から見れば狂ってる・・・いえ
奇抜な王様だったかもしれませんが、今のフッセンにとってあの城は
大きな観光資源でもあるので、その辺の評価の変化も考え出すと
はまってしまいそうです(^^;

>fullconさん
jinnさんは絶対来世でドイツ人になれますよね!
かなりイタリアよりの私のブログの世界を広げてくださる知識には
とっても感謝です。

>paceさん
ヴィスコンティ→ミラノ?!→いやシチリア?(山猫)と、私のしょぼい知識
ではどんどんドイツから離れてしまいましたが、調べてみて『ルートヴィヒ』
という作品があるのを知りました!19世紀なので、森鴎外の留学時期と
重なってもいるのでしょうか?paceさんのコメントのおかげで、雑多に散らばってる
欠片が有機的につながっていく感じがします(’’)
ドイツでヒッチハイクとは!!私のような観光客としてお城見るより断然
カッコいいです!ほんと、素敵すぎます。

>picaさん
私はなかなか覚えられず、何度も噛みまくって言えるようになりました(^^;
このお城のパネルがお部屋にあったとは、なかなかセレブなお家ですね!
冬ではなく、春~秋にかけてが景色も良くて、お城の夢の世界を堪能できると
思います(^^)・・・坂道歩くのはかなり大変ですから(笑)
”いらないもの捨てる”とか言いながらも、本来捨てられない性格なので
なかなかはかどらないのが悩みです~。でも、頑張ります!

by Pace (2008-12-19 00:52) 

こうちゃん

ところでPaceさんは、何ヶ国語が、わかるんですか?
僕は英語だけですが、あ!日本語もね。^^*
by こうちゃん (2008-12-20 11:31) 

ホシ

お城、ちゃんと名前言えませんでした(T_T)
すごいキレイ。お話の中のお城みたい、うっとり(^_^)
by ホシ (2008-12-21 01:37) 

Pace

>こうちゃん
日本語すらおぼつかない状態です・・・。
そして、英語はさっぱり分かりません(^^;

>ホシさん
コメントありがとうございます!
このお城の名前は手ごわいですよね。ムキになって言おうとすると
舌噛みそうになります(^^; でも、絵本やアニメにでてきそうな
素敵なお城です。建てた王様の夢を具体化したからでしょうね♪


by Pace (2008-12-21 02:01) 

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