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眠れない一族 [leggere -読書-]

3月に買って、イタリア旅行の前後で中断してしまっていた
「眠れない一族 -食人の痕跡と殺人タンパクの謎-」を読み終えました。

そもそものきっかけはPRESIDENT(3月31日号)の記事で”正しい判断、決断を導く”
”ロジカルな思考を身につける”1冊として紹介されており、まさしく私に足りないものだ・・
と思ったこと。ですが、それ以上に”イタリアのある一族はおよそ半数が50代になると不眠症を
発祥し、その後必ず死にいたる・・・そうした家系は世界に3つありそのうち2つが日本に存在する”
(本ではもっと多い数が示されていましたが)というストーリー紹介が私のアンテナに引っかかりました。
これはイタリアと日本の共通点を何かしら見出せるのでは?!などというちょっとした
わくわく感と表紙の絵、そして怖いもの見たさで興味津々、そして購入に至った訳です。

が、読み終えてみれば安易な好奇心など持っていた自分が恥ずかしくなるような内容、
そして他人事では済まされないような危機感も感じ、ほんとに怖くなってしまいました。
中盤まではイタリアの一族の遺伝病(致死性家族性不眠症)を辿る話と、各地で発生する
原因不明の病気(イギリス:羊に発生したスクレイピー、パプアニューギニア:ある部族に
発生したクールー病)を解明しようと調査・研究する様々な分野の学者達の話は平行線で
進んでいきます。それが全てはたんぱく質の異常によって引き起こされるものだというところまで
究明が進んだところで交わります。

そしてこの後、イギリスの狂牛病騒動、先日も新聞を賑わせたアメリカの狂牛病問題へと
話は進んでいきます。
この辺になるともう今現在の自分にも関係のない話ではないのでのめり込むように読んで
しまいました。
数年前のアメリカ産牛肉輸入禁止の件では、”人口の多くがホモ接合体であるため、日本は
BSEを非常に恐れていた”と書かれています。
※ホモ接合体については本(食人習慣の究明部分)に詳しく書かれています。
 簡単に説明すれば、プリオン(異常タンパク質)に弱いのがホモ接合体らしいです。
 2003年頃の時点で、イギリスで狂牛病に罹った患者は一人を除いて皆ホモ接合体だったとか・・・。
また、2005年日本がアメリカの圧力を受けアメリカ産牛肉輸入再開後、ある生肉加工業者が
誤って脊髄組織を出荷したことが判明し数週間で再び輸入を禁止した件についてもふれています。
最近でも吉野家の工場で危険部位が見つかったというニュースもありましたし、背筋が冷たくなります。

最後は”致死性家族性不眠症の犠牲者たちのために”という章で締めくくられています。
学者達(かなり個性的な人々)が情熱的に難題に取り組み(様々な思惑や事情があるにせよ)
謎を究明していく過程にも惹きつけられましたが、今なお治療法の見つからない遺伝的な病気と闘う
イタリアの一族のことが重く心に残りました。


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ryuji_s1

Paceさん
狂牛病 怖い病気ですね

注意しないと

コメント有り難うございます
イラストほめていただきうれしいです、


by ryuji_s1 (2008-05-03 12:35) 

Pace

>ryuji_s1さん
食事は生きがいなので、安全性には十分注意しないと・・
と思いました。
ほんとに怖いですよね。
by Pace (2008-05-03 23:35) 

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