イタリアは素晴らしい、ただし仕事さえしなければ [leggere -読書-]
本屋さんで見つけて手にとった1冊。
イタリアの国民性を知る方ならば、タイトルからなんとなく内容が想像できるのではないでしょうか。
時事通信社の特派員であった筆者の加藤さんがジュネーブを拠点にイタリアで取材をしてきた中で
体験された”もはや笑うしかない悪戦苦闘の数々”を綴った本です。
第一話では現法王ベネディクト16世誕生前後、第二話ではトリノオリンピックとまだ記憶に新しい
出来事の舞台裏でどんなことがあったのかを知ることができます。
抑えた文体ではあっても、イタリア人に囲まれて仕事をしていくなかで発狂寸前の怒りを
感じられたであろうことがひしひしと伝わってきます(^^;
第三話では先日首相に返り咲いたベルルスコーニ氏の話題。
第四話のタイトルは”英語ができなくてなにが悪い”といった開き直りっぷりが面白いです。
最近のニュースだとミャンマーのサイクロン被害関連の記事で目にするWFP(世界食料計画)は
イタリアにある国際機関です。そしてもう1つ、FAO(国際食料農業機関)もイタリアにあるそうです。
このFAOについて加藤さんは「途上国の農林水産業への援助を中心とする機関だけに、途上国の
発言力が強い。これに加えて、ローマという享楽的な都市で、イタリア人のスタッフに囲まれたら、
厳正な組織運営ができると思うほうが不自然だ。」と書かれています。
この”不自然だ”と言い切っておられるところに悪戦苦闘の日々の苛立ちが現れているように
思います(笑)
しかし最後は「実はいいかも(?)、イタリア」で締めくくられています。
私もイタリアでは「な、なんでなんだ・・・・」と思うようなことにしばしば遭遇していますが、
それでもやっぱりイタリア大好きなんです。「それはおかしくないか?」と思うようなことの
全てがある意味面白くて憎めません(笑)
私のようにイタリアの魅力、いや魔力?にとりつかれている人はきっと多いはず・・・。
私もイタリア大スキです。
by Nicoli♪ (2008-05-18 20:33)
>Nicoli♪さん
はじめまして!Niceとコメントありがとうございます。
イタリアの魅力(魔力)は一度とりつかれると離れられなくなりますよね。
私はかれこれもう数年間、頭の片隅で常にイタリアのことを考えているという
筋金入りのイタリア病に冒されています。
by Pace (2008-05-18 20:58)